M.さん(事務・現場担当)
People 多様な働き方

「現場と事務の二刀流。様々な視点から『大好きなうなぎ』を届ける橋渡し役に」

事務・現場担当 / M.さん(入社10年目)

事務・現場担当の現場

日本のうなぎ養殖発祥の地として、125年以上の歴史と伝統を誇る浜名湖。その伝統を最前線で守りながら、次の時代へと進化させ続けているのが浜名湖養魚漁業協同組合です。生産者(養鰻家=うなぎを育てる人)からの集荷、きびしい衛生基準を通った加工、そして駅前の直営店での販売や全国への通信販売まで、すべての工程を自分たちで一貫して手がけています。これは「六次産業化」(育てて、加工して、売るところまで全部やること)を実現した、めずらしい組織です。

この幅広い事業のなかで、部署の垣根を軽やかに飛び越え、事務と現場の“二刀流”として活躍しているのが、入社10年目を迎えるM.さんです。ふつう「事務職」と聞けば、一日中デスクに向かってPCを操作している姿を思い浮かべるかもしれません。けれど、M.さんの働き方はそのイメージとはまるで違います。午前中は水しぶきが舞う活気あふれる現場で、生きたうなぎの選別や出荷作業に汗を流します。そして午後は事務所に戻ってPCと向き合うのです。現場のなまなましさと、事務の正確さ。その両方を知る人だからこそ担える、組織の中の「橋渡し役」があります。

なぜ、このめずらしい働き方にたどり着いたのか。大好きな地元・浜名湖のうなぎへの人一倍強い愛情。新ブランド「でしこ」と一緒に描く未来。そして、いろいろな個性が輝ける組合の温かい社風について、じっくりと語ります。

第1章 すべては「大好きなうなぎ」のために

M.さんが浜名湖養魚漁業協同組合に入社した理由は、とてもシンプルで、それでいて情熱的なものでした。

「入社したきっかけは、地元のうなぎのことをもっと知りたい、そしてもっと多くの人に食べてほしいと思ったからです」

幼い頃から身近にあった「浜名湖うなぎ」は、M.さんにとって特別な存在でした。ただ美味しいものを食べるのが好き、というだけではありません。その裏にある養殖の技術や、どんな人たちの手で全国へ届けられているのかという「裏側」にまで、興味が広がっていったといいます。

「とにかく、うなぎを食べるのが大好きなんです」と笑顔で語るM.さん。インタビュー中、「この会社で働くメリットは何ですか」という問いにも、人間味あふれる素直な答えが返ってきました。

「やっぱりこの会社に勤めている以上、うなぎを食べる機会は他の人より圧倒的に多いと思います。大好きなうなぎに関われて、しかも食べる機会にも恵まれている。それは素直に大きなメリットかなと思いますね(笑)」

自分が心から「美味しい」「素晴らしい」と思える名産品を、自分の仕事を通じて全国へ広めていく。そのまっすぐな愛情こそが、入社から10年という長い間、第一線でやる気を高く保ち続ける、いちばんの原動力になっています。

第2章 机に座っているだけが事務じゃない——現場と本社を行き来する一日

M.さんは今、事務の仕事と同時に、現場でのうなぎの選別(より分ける作業)なども担う「なんでもこなす人」として、毎日の仕事にあたっています。入社前は、事務職に対して決まった思い込みを持っていたそうです。

「事務職といったら、一日中ずっと机に向かってPCで作業をしているだけかな、という静かなイメージだったんです。でも、実際はまったく違いました。現場の作業と事務所での事務作業を両方できるので、他の仕事よりもいろいろな経験ができます。毎日に変化があって飽きない環境だなと思います」

そんなM.さんの一日は、立体的で変化に富んでいます。

「基本的には、午前中は前日の荷物の出荷準備などがあり、現場の作業に携わることが多いです。午後からは事務作業が増えてくるので事務所に入り、それが終わり次第、また現場に戻ってうなぎの選別作業などをサポートする、といった流れですね」

これほど柔軟な働き方をしているのには、理由があります。

「もともとは現場の方で仕事をしていたという経緯があるんです。だから、現場の仕事も事務の仕事も両方分かる。現場が忙しければ現場に入り、事務所が忙しければ事務所の業務をこなす。そうやって状況に合わせて並行してやらせていただいています」

活鰻(かつまん=生きた状態のうなぎ)の選別現場で、生きた命の力強さに触れながら体を動かす。その後はPCに向かって、こまかい事務の処理を行う。この動と静の大きな切り替えが、M.さんの「もっと知りたい」という気持ちを刺激し続けているのです。

第3章 生産現場とお客様をつなぐ「ハブ」として

現場と事務、両方の最前線を知り尽くしているM.さん。この「二刀流」は、ただ人手不足を埋めるための便利な存在ではありません。組合の運営の上で、大切な意味を持っています。それは、お客様と現場の職人(または生産者)とをつなぐ「ハブ(つなぎ役)」としての役割です。

「自分が両方をやっているからこそ見える視点があります。ちょうど、私たちのうなぎを使っていただくお客様と、実際にうなぎを扱い加工する現場の人たちの、まさに『間』に立っているポジションなんです」

事務の担当としてお客様からの注文や要望、時にはきびしい意見を直接受け取る。一方で、現場のスタッフとして、うなぎの育ち具合や選別の難しさ、出荷の大変さを肌で知っている。だからこそ、お客様の無理な要望を現場に押し付けることもありません。現場の都合でお客様の期待を裏切ることもなく、いちばん良い落としどころを見つけ出すことができます。

「どちらの声も一番拾いやすい状況にあります。だからこそ、お客様の声と現場の声、どっちも大切にして、両立しながら円滑に仕事を進めていきたいと常に考えています」

歴史ある組織だからこそ、部署と部署の間に壁ができやすいのも事実です。しかし、M.さんのように全体を見わたし、両方の言葉を理解して“通訳”できる人がいる。その存在が、組合全体のスムーズな連携と、浜名湖うなぎの確かな品質を、陰から支えているのです。

第4章 適材適所で、誰もが輝ける

入社から10年が経ち、中堅として組織を支えるM.さんが、職場の人間関係や組織風土について語ります。

「漁協というと、昔ながらの職人さんが多くて堅いイメージがあるかもしれません。でも今は、若い世代もたくさん入ってきています。みんな仲良く、とても良い雰囲気で仕事ができていると思いますね」

これから入社してくる新しい仲間には、どんな人に来てほしいと考えているのでしょうか。

「うちの職場はみんなで和気あいあいとやらせていただいているので、周りとコミュニケーションを取りながら楽しくできる方は、すぐに馴染んでうまくやっていけると思います」

とはいえ、人と話すのが得意でなければいけないのかというと、決してそうではありません。組合が手がける事業の幅が広いので、どんな個性の人でも受けとめる場所があるからです。

「もちろん、接客やチームワークが大事な部署もあります。一方で、決まった一定の作業に集中して取り組む仕事もあります。だから、コミュニケーションが少し苦手だという方でも、一つの作業にのめり込んでしっかり結果を出せる方なら大歓迎です」

「うちの会社には、直営店などの『お店』もあれば、『現場作業』もあり、衛生管理された『加工場』や、私のような『事務』もあります。本当にいろいろな場所があるので、どんな適性を持った方でも、必ず活躍できる場所があるはずです」

一人ひとりの向き不向きを見極め、その人が輝ける場所を用意する。その心の広さこそが、新卒離職率ゼロというすごい定着率を生み出す、いちばんの理由の一つだと言えるでしょう。

第5章 新ブランド「でしこ」と共に、次の100年へ

いま、浜名湖養魚漁業協同組合は大きな変化の真っ只中にあります。その象徴が、125年の歴史を背負って立ち上げられた新ブランドうなぎ「でしこ」です。クラウドファンディング(インターネットで広く支援を集めるしくみ)で日本一の支援額を記録し、グッドデザイン賞を受賞するなど、すでに全国から熱い注目を集めています。

M.さんも、この新ブランドの躍進に大きな夢と期待を抱いています。

「『でしこ』という新しいブランドが立ち上がったので、これをもっと全国に広めていきたいです。これから先、『浜名湖のうなぎといえば“でしこ”だよね』と誰もが言ってくれるように、どんどん広がっていけたら最高だなと思います」

伝統を守りながらも、新しい挑戦を恐れずに進化を続ける組織。大好きな地元のうなぎを全国へ届ける喜びを、これから入社してくる未来の仲間とも分かち合いたい——M.さんはそう語ります。

インタビューの最後に、応募を検討している方へ、力強いメッセージです。

「私たちと一緒に、この浜名湖を力強く盛り上げていきませんか」

「大好きなうなぎをもっと知りたい」というまっすぐな思いから飛び込んだ世界で、事務と現場の二刀流という、自分だけのキャリアを築き上げたM.さん。その姿は、昔ながらの「漁協の事務職」という枠を軽やかに超えています。自分の可能性をどこまでも広げられることを証明しているのです。あなたも、浜名湖養魚漁業協同組合という、いろいろな個性が集まる温かい場所で、自分にしかできない「新しい働き方」を見つけてみませんか。

事務・現場担当の現場
現場の風景
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